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2010年9月22日 厚生労働大臣政務官退任挨拶

 

9月22日に厚生労働省にて職員、幹部会、記者会の方々へ向けてそれぞれ退任の挨拶を行いました。ここにその内容を掲載いたします。

職員への挨拶

まずは村木厚子さん、無罪確定、そして復職、本当におめでとうございます。
私は野党時代に村木さんと支援費からグランドデザインそして障害者自立支援法について議論をさせて頂きました。何よりも、村木さんが心を曲げなかったことに敬意を表したいと思います。更なる発展をお祈りしたいと思います。

私はこの一年間、二つのことを邁進してきました。
一つは、昨年の衆議院選挙のマニフェストそして政策集で取り上げた政策を実施させることです。きちんと軌道にのせ、その成果を見るには三年が必要です。
もう一つは、(厚生労働省内での)会議の在り方を変えることです。先に結論を出すのではなく、会議の中でその方向性を示し、その過程を皆さんに見て頂きながら、結論が出た時には、国民の皆さんもそれを十分に理解している、そういう会議を目指しました。「ビジョンがないとか、方向性を示さない」という批判もありましたが、あえて出さなかったということです。厚労省の皆様方のご理解とご協力で二つの事は出来つつあります。

私が筑波大学の講師だった時に、当時の江崎玲於奈学長が言った言葉をご紹介したいと思います。
「大学人にはcreative mind (クリエイティブ・マインド=創造力)とjudicial mind( ジュディシャル・マインド=公平性、あるいは、司法に基づく)、その二つのバランスが重要である。勿論、芸術コースは、クリエイティブ・マインド100%、法曹界は、ジュディシャル・マインド100%、そして大学人は、9割がクリエイティブ・マインドであって欲しい。しかし、医学部は逆だと。9割のジュディシャル・マインドと1割のクリエイティブ・マインドで働いてもらいたい」
私は、国家公務員の皆さんも、医学部のスタッフと同様に、9割の公平さと1割の創造力で働いてもらいたいと思います。

「自分以外のことでクヨクヨするのが人間だ。」これは、サンテグジュペリの言葉だったと思います。
問題が発生した際に、その解決のために上司が下す命令、指示は最大のもので最高のもので、その通り実行しなければならないと思います。しかし、サンテグジュペリが言うように、自分以外のことでクヨクヨする創造性を持って、色々な立場の人の意見を聞き、上司の命令、指示をどのように考え、実行していくことが大切であると思います。そうしたことが問題の真の解決につながるかことが多いのです。だから皆様方にもぜひ、そのような考え方を共有して頂きたいと思います。

最後に皆様に私が大好きな言葉を贈りたいと思います。
「人間の贅沢で最大なものは人間関係における贅沢である」
これもテグジュペリの言葉です。
立場にとらわれることなく、公正さを失わず、創造力のために、人間関係を深め、広げていって頂きたいと思います。
私は、皆さん方とそのような関係のもとで仕事をしてきたと思いますし、そうした関係を更に強化していきたいと思っています。皆さん方にもそう思って頂きたいと思います。
しばしのお別れだと思います。
本当に有難うございました。


厚労省幹部会への挨拶

先ほどの講堂での挨拶では理念的なお話しをしましたので、ここでは少し、この間の具体的なお話しをしたいと思います。
まず、9月14日(火)に投票が行われた民主党の代表選挙にどのようにして菅総理を指示したのかを申しあげたいと思います。
9月10日(金)、投票日の数日前に、国会議員と秘書を対象にした両候補の討論会がありました。小沢さんには「将来像は良いけれども、今年度そして来年度は一体どうするのかを示してほしい」ということ。菅さんへは「政策は分かっている。しかし、それを実現させるためにはどう具体化していくのか、具体論を示して欲しい」と思っていました。
その1時間45分の討論会の後に、支持する人を決めました。
私は、大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役は、野党との関係も含めて国会対応に時間を取られ過ぎていると思っていました。国会でのあらゆる審議に政務三役が出席を義務付けられるようになっている状況です。国会にしばられていては、実際の問題を解決するためにわざわざ外部の専門家を招聘した会議・検討会等に出る時間さえも取れません。ましてや将来構想を考える時間もありません。
私は、国会に提出する法案の事前説明を担うのは政務三役ではなく、党の政策担当者がなるべきだと思っています。ですから、そういった担当者の人数を十分に増やすことが必要です。そして彼らがどのように動けば、国会に提出する法案の事前説明がうまくいくとか、大きな制度改正の事前の了承が得られるか、そのシステム作りを考えてきました。
そういった意味で、菅総理が提案した「全員内閣」ということは私が考えている政府と党が一体になって政策を立案・推進していくという考えに近いものでした。そのような理由で、菅総理を支持することにしました。
この日曜日に仙谷由人官房長官から電話があり、政府三役の仕事ぶりについて意見交換をしました。仙谷官房長官の国会対策についての考えは私と全く同じでした。その同じ認識であることを確認された上で、「これからは党に戻って、国会で法案を通して行くことをやってもらいたい」と言われ、受け入れさせて頂きました。
民主党と政府との間で政策立案・国会審議に関して情報の共有を一層すすめるべきだと思います。内閣が国会に提出する予算案にせよ法案にせよ、その提出が考えられる段階から、関係省庁の政務三役と連絡と密にして情報を共有しながら相談して行きたいと思います。

退任に当たり、政務官として満足に仕事を出来なかったことが悔やまれます。その理由の一つは、土日は地元での政治活動のために、政務官としての公務を行えなかったからです。ご存知だと思いますが、去る7月の参議院議員選挙に於いて、29ヵ所の一人区で政務三役が候補者だったのは、私一人だけでした。従って、月曜から金曜日までは公務に専念し、土曜日と日曜日は地元での政治活動をしていました。非常に厳しい一年間でございました。
そのような事情で政務官として十分に力を発揮する時間的余裕がなく、不完全燃焼になっていました。こうした状態のまま終わるのは非常に残念だと思います。
それと全国から大分に応援に来て頂いた方々に対して、大変申し訳ないと思います。彼らは、一人区で戦っている唯一の大臣政務官を応援してくれたのです。彼らは、私が再選したら当然、政務官の仕事を継続するものと期待されていたと思います。こうした方々に対して、期待を裏切る形になって大変申し訳ない、深くお詫びします。
しかし、今後は大臣政務官の経験を活かして、党に於いて、党と政府の政策立案・国会審議等の一体化を精力的に進めていきたいと考えております。
職員への退任の挨拶で「I shall returnと言うことを言われましたね」と一部の方に言われましたけれども、私は、これを機会にその与えられた立場で、もう一回り大きくなってみたいと思っております。
本当にありがとうございました。


厚労省記者会(マスコミ)への挨拶

二階の講堂での挨拶はどなたがいらっしゃったのか良く分かりませんが、多少、理念的なメッセージを、話させて頂きました。
そのあと省内会議室で行った厚生労働省の幹部の方への挨拶では、具体的な話をさせて頂きましたので、その一部をここでお話ししようと思います。
この一年、昨年のマニフェストの実現に向けて政策を進めてきましたが、それを軌道に乗せるために最低でも3年かかるという話をしました。もう一度繰り返しますが、それについては全ての項目についてはもう芽が出ております。しかしながら、その先までフォローできないということは残念だと思っています。
次に会議のあり方についてですが、昨年政務官に就任して依頼、皆様方に大変ご協力頂きました。結論を先に決めてしまうのではなく、議論の過程をオープンにし、国民の皆さんに見ていただき、参加していただく。その意味で皆さん方が担っている役割は非常に大きいと自覚されたと思います。
記者の皆さん方がそれぞれ違う感想を持って違う記事にするということで、それを見た国民の皆さんが、一つの新聞、あるいは一つのテレビで、それが事実だと判断してしまうということがありました。つまり、会議をオープンにするということはメデイアのあり方という意味で、非常に難しいということに私はある意味気付かされました。
その後、必ずブリーフというものをやり、そして会議の内容を紙に書いて渡すとようにしましたが、未だなかなかよい形が出来ていません。
繰り返します。塾議の民主主義、議論の過程から国民の皆さんに参加して頂くということは絶対にやらなければならない。その中でメデイアがどう国民に伝えていくべきなのか。つまり、結論づけたように書いてしまってはいけないということです。このことを是非とも、これから気を付けて頂きたいと思います。
私にとっては、参議院議員選挙とそして政権交代後の政務官ということで、大変多忙な一年間を過ごしました。
土日はもっと余裕をもって現場視察に出かけたかったのですが、毎週地元に帰って選挙活動を行っておりました。その選挙も終わり、もっと余裕をもって政務官としての仕事が出来ると思っておりましたので、この点に関しては非常に残念です。また、全国で私の支援をして頂いた方々に対して大変申し訳ないと思っております。
しかし、今回の代表選挙でも菅総理が言われたように、このねじれ国会という状況の中で法案を通すということ、あるいは協議を行って結論に到達させるためには、政務三役だけでは絶対にできません。党側の残りの300人を超える人間がどう動くかにかかっていると思います。
私としては、他の政党や党の中の意見を集約したり、議論をして煮詰めていったりする作業は政務三役でない人間のやるべきことだと、思っております。そのような運営の一端を担っていきたいと思います。
最後に先ほど省議室で申し上げましたが、今までの民主党というのは時間的観念が薄かった。野党でしたから当たり前かも知れません。例えば概算要求はいつから検討を始めるのか。提出法案を検討するのはいつからなのか、党側には全くその認識がないと思います。
これを時間的な感覚を経験した我々が、「この時期に何に取り組まなければならないのか」を明確に党側に伝え、そして党外の議論を活発にして、そのことを政務三役に提言できるように、各省庁と連携をとりながらやっていくという形が望ましいと思います。
これからは本当にメデイアの皆さんの果たす役割が大きいと思います。必ずその時々の皆様方の感想というものがあるでしょうが、事実は何であるかということをもう一度問うて頂きながら、正確な報道に携わって行って頂きたい。そのことに関しましては、我々もメディアに対して是々非々の形で協力することはやぶさかではないと思いますので、その姿勢で臨みたいと思います。
最後になってそういう注文ばかりで申し訳ないですが、これは国民の皆さんにとって、本当にその報道一つによって180度変わっていくことでございますので、あえて言わせて頂きました。
本当にお世話になりました。
有難うございます。


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