国民民主党大分県参議院選挙区 第1総支部
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国会会議録

平成30年6月27日- - 参議院本会議

○足立信也君  国民民主党の足立信也です。
 私は、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、希望の会、沖縄の風の各会派共同提出の厚生労働大臣加藤勝信君問責決議案について、提案の理由を説明いたします。
 まず、決議の案文を朗読いたします。
  本院は、厚生労働大臣加藤勝信君を問責する。
   右決議する。
 本決議案を提案するに至った過程を時系列で申し上げます。
 二〇一二年十二月、加藤大臣は、第二次安倍内閣の官房副長官に就任されました。
 この一年以上、我々は、隠蔽された公文書を探り出すことに労力を費やし、改ざんされた公文書を基に審議を行ってきました。政治家の不用意な発言や虚偽答弁につじつまを合わせる形で隠蔽、改ざんが繰り返され、民主主義はねじ曲げられました。隠蔽は小泉政権のときから続けられていましたが、公文書改ざんは前代未聞の事態です。
 その根本原因は、審議官級以上の幹部職六百人を人事対象とする、二〇一四年五月三十日に設置された内閣人事局にあるとも言われています。直前に内定が撤回され、初代内閣人事局長に就任したのが加藤大臣です。内定していた官僚からあなたに急遽変更されたことが、官邸による官僚支配の始まりではないですか。
 二〇一五年二月十四日、官房副長官であるあなたは、地元岡山で加計学園の事務局長に会っています。当時、新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部の設置に加計学園が危機感を抱き、官邸への働きかけの糸口として、官房副長官であるあなたに依頼したのではないですか。そして、総理も加計理事長も認めておりませんが、二〇一五年二月二十五日の総理との面談につながったのではないですか。
 半年後の二〇一五年十月、あなたは、少子化対策担当、女性活躍担当大臣に就任し、翌二〇一六年八月、働き方改革担当大臣を兼任します。
 この国の働き方全体を所掌する担当大臣として、昨今、長時間労働が常態化し、在校時間が十二時間を超えるという教員の働き方も当然担当していたはずです。しかし、先日の委員会で、教員の長時間労働は大きな課題と認識していたが、労働基準法改正と切り分けたと答弁されました。八本の法案を束ねて出しながら、教員の働き方には全く手付かずとは、働き方改革担当大臣の職責を果たしたとはとても言えません。
 昨年、二〇一七年八月、厚生労働大臣に就任されました。
 厚生労働大臣加藤勝信君の問責の理由を申し上げます。
 厚生労働大臣としてどのような厚生労働行政を目指すのか、見えないのです。財政規律を守りながら、一人一人に目を向けた血の通った政治が感じられないのです。大臣就任以来、成立した閣法は六本、私は、民進党、国民民主党を通じ、全て賛成した法案です。安全運転に徹したとも取れますが、リーダーシップがないとも言えます。
 しかしながら、数多くの問題点を残しました。列挙します。
 昨年の特別国会は、旅館業法の改正でした。それまで明確に区別されていた旅館業とホテル業の区別をなくし、旅館・ホテル営業とする改正でした。しかし、別の法律である国際観光ホテル整備法では、ホテルと旅館が明確に区別されており、それぞれ定義されています。委員会では整合性を問われ、国交省は、検討するではなく、対応すると答弁されましたが、いまだに調整され、改正されていません。
 同じく昨年、東京労働局長による野村不動産への特別指導がありました。この特別指導については、事前に大臣に三度報告されています。その内容はのり弁当状態で詳細は分かりませんが、当然、野村不動産で裁量労働制を違法適用され、過労死に至った労働者の報告もあったはずです。
 今年に入っても続きます。内部通報で発覚したSAY企画問題。年金機構がデータ入力を委託した業者が業務を適正に行えず、その結果、所得税の源泉徴収額が正しく差し引かれず、年金支給額が過少になっている問題。しかも、契約に違反して中国の業者に再委託していました。
 SAY企画は、全省庁統一資格でC等級。C等級の予定価格は三百万円以上千五百万円未満です。しかし、千二百万件を一億八千二百万円で委託契約しました。結局、九十五万人に入力誤り。しかも、契約違反である中国企業への再委託は五百万件、契約書もありません。八百人の従業員を確保するといいながら、実際は百数十人。そもそも、この企業に委託すること自体が大問題でした。しかも、このSAY企画が六月に解散。年金機構としては二億円の損害賠償請求をしていますが、その対応はまだ決まっていません。国民の財産であるという認識が希薄であると言わざるを得ません。
 さらに、SAY企画の再委託に端を発して発覚した恵和ビジネス問題。委託契約中の百十九社に対する特別監査の結果、恵和ビジネスが五十三万六千人分を無断で再委託、委託契約金は二億八千万円。SAY企画と同様に、全省庁統一資格でC等級。C等級の予定価格は千五百万円未満です。この委託内容には、生年月日や氏名、前年所得など個人情報が入っています。極めて不適切な契約でした。
 いよいよ働き方改革です。働き方改革関連法案は、閣議決定以前に法案作成の基礎となる労働時間の調査データ捏造が発覚し、裁量労働制の項目を全文削除しました。データを捏造した厚生労働省の調査にはデータの誤りが四八・五%もある、五年に一回の定期的な調査的監督でした。対象事業場は約一万一千です。無作為抽出したといいますが、その中から作為的に削除した調査は、やはり作為的な調査にほかなりません。
 しかし、それ以前に、無作為抽出による裁量労働制の労働時間に関する調査を独立行政法人労働政策研究・研修機構、JILPTに依頼しているのです。この調査は、一万三千事業所を対象に十三万人の労働者にアンケート調査をしております。この調査は四回しか労政審で検討されておらず、厚労省の捏造された二〇一三年度労働時間等総合実態調査は十一回検討対象にされております。
 JILPTの調査では、一か月の平均労働時間が通常労働に対して裁量労働制専門業務型も企画業務型も長く、休日労働回数は通常労働よりも専門業務型、企画業務型とも多い数値を示しています。さらに、裁量労働制で働く人の八割が健康確保措置への要望を訴えています。裁量労働制で働く労働者の健康及び福祉を確保するための措置、これをなぜ法案から削除したのか、明確な答弁はないままです。
 さらに、法案提出以降も不適切なデータや異常値が多数発見されました。法案に対する信頼性は失われ、審議の土台が崩れているにもかかわらず、かたくなに正当性を主張して法案審議を強行した大臣の責任は重大です。
 時間外労働の上限を規定し、罰則を設けることは評価します。しかし、残業代を稼ぎたいと思って残業している人は九%未満です。人手不足の中、ノルマをこなすために身を削って働いています。
 高度プロフェッショナル制度は働かせる側のニーズから出た働かせ方改革です。まさに、世界で一番企業が活躍しやすい国、二〇一三年の安倍総理の象徴です。裁量労働制の拡大は、二〇一三年六月の閣議決定、日本再興戦略です。
 二〇一四年四月二十二日、経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議で、個人と企業の成長のための新たな働き方として高プロの原型が提案されました。年収は一千万円以上でした。当時の田村厚生労働大臣は、医師は年収一千万円以上もらっているが、時給換算では最低賃金に近い人もいる、医師のような働き方を助長すると懸念を示しました。
 新しい制度であるにもかかわらず、六十項目を超える省令事項の内容は、度重なる審議でも今後検討すると繰り返すばかり。審議を繰り返すほどに不安は募ります。何が高度であるかは示されず、実労働時間の把握はできないのに労働時間から除外される時間は把握するという矛盾。過労死レベルで働いても労災認定できないのではないかという不安。時間ではなく成果で評価するというが、評価方法も定まらない。評価が下がり、収入要件を満たせなければ解雇されるかもしれない不安。そもそも、高プロには成果に応じた給料が支払われることを保証した規定はどこにもありません。
 加藤大臣は、架空の聞き取り調査をでっち上げ、私が企業に訪問し、いろいろニーズを聞いたと答弁しました。しかし、高プロ法案が国会に提出された二〇一五年四月三日以前に厚労省が対象となり得る専門職に対してヒアリングしたのは、たった一人のみでした。しかも、その後に聞いた十一人を合わせ、一人も収入の把握をしておりません。
 あろうことか、働き方改革関連法案が成立していないにもかかわらず、六月十五日閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、いわゆる骨太の方針の中の働き方改革に高度プロフェッショナル制度の創設を明記しました。言語道断です。高プロの本質は残業代の削減にほかなりません。
 過労死認定ラインを超える働き方を許容する職種や収入があってはいけません。本来、管理監督者も公務員も当然です。我々は全ての働く者の立場に立ちます。
 参考人並びに公述人九名中八名が、高プロは不要、労働者代表の選ばれ方が重要である、客観的な方法での労働時間把握が基本と述べられました。また、早急に教員の働き方に取り組まなければならない、パワハラ規制法案の成立が必要だとおっしゃいました。
 私たちは、労働安全衛生法改正案、いわゆるパワハラ規制法案を参議院に提出しています。これは、二〇一三年五月、国連の社会権規約委員会の日本への長時間労働及び過労死に対する勧告の中にある、職場におけるあらゆるハラスメントに対する法整備の不備に対応するものです。職場内でのパワハラだけでなく、親会社や取引先からのパワハラ、顧客やユーザーからの過剰クレームなど、働く者を保護するための措置を講じるよう事業者に義務付ける内容です。当然、業務上の優位性を利用したセクハラも対象です。是非とも成立させていただきたいと思います。
 行政は、国会審議を通じて法案の内容を国民に説明する。今後検討しますとか、労政審で検討、指針を作りますでは、説明になっておりません。国民の理解は進まないどころか不信も募る、その繰り返しがこの一年だったではないでしょうか。
 審議を重ねるほどに分からないことが増えていく、そのことが加藤厚生労働大臣を問責する理由であります。何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
 与党議員の方に申し上げます。
 最近、国会提出前の段階で、細部の詰めが甘く、疑問点を残したまま閣議決定されているように感じてなりません。閣法の作成者であるという気概で臨んでほしいと思います。今からでも間に合います。高度プロフェッショナル制度を削除しましょう。
 以上で提案理由の説明を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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