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2008年6月18日 民主党医療事故調査制度について(中間報告)

 

いままで、日本では医療事故が起きた場合や死因・経過に納得がいかない場合でも、調査し真相究明するしくみがありませんでした。そのため、患者・家族と医療者のあいだに不信感が残ることも多く、今後の医療の向上や再発防止に役立てられることもありませんでした。また、刑事告訴しても、捜査の主眼は(有罪か無罪かという)個人の責任追及にあるため、事故の全容やシステムエラーが解明されることはなく、捜査内容も公開されないので、真相究明や納得にはあまりつながりません。患者・家族が多大な費用・時間・労力を払って民事裁判を起こしたとしても、対立構造の中では真相究明はなかなか進まないのが現実です。
 起きたことの全容を知り、その原因を知って納得したい、医療者に誠実な対応をしてほしい、という患者・家族の思いを最大限実現し、調査結果を医学的にも生かし、再発防止策にも反映させる調査制度が求められています。つまり、医療とは、医療を提供する側と受ける側の協働作業であるということです。
 このような気運を受け、患者・市民団体、医療や法曹関係者、学術団体・ジャーナリズムなどからさまざまな要望・提案がなされ、政府においても試案が提示されつつあります。
 民主党においても、数年来の取り組みに加え、本年1月に私が事務局長に就任して医療事故調査制度作業チームが発足し、鋭意検討を進めてまいりました。制度の概要や法案骨子を作成し、中間報告としてまとめ、6月18日に「民主党次の内閣」で了承を得ました。政府案の持つさまざまな問題点を克服し、多くの関係者の意見を参考にしながら、先に示した理念を実現することを念頭に作成いたしました。今後、細部を詰め、成案を得るべく検討を進めてまいります。

※2009年5月 制度案の微修正
制度案全体を細かい部分まで再度見直し、下記の点を含む6箇所に関して微修正しました。
○法案名の通称の変更について すべての国民が患者になる可能性があり、この法案がすべての国民を対象としていることを強調するため、通称を「患者支援法案」としていましたが、この名称では医療を提供する側と受ける側のどちらも対象にしているという理念が伝わらないおそれがあるので、法の理念や内容を簡潔に示すためにも「医療の納得・安全法案」と変更します。

医療の納得・安全法案骨子案  
民主党事故調査制度案  

死因究明の流れ

医療事故調査制度 民主党案と政府案の対比表


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2008年4月 石綿健康被害救済法の改正案に対する与野党協議について

 

2005年6月のいわゆる『クボタショック』以来、石綿被害の状況は全く公表されませんでした。しかし、2006年3月27日に施行された「石綿健康被害救済法」のうち、2001年3月以前に死亡した人を対象にした労災時効の救済申請期限が来年3月に迫っていました。私は昨年12月4日の参議院厚生労働委員会で、被害者が関心を持つように事業所名の公表を求め、舛添厚生労働大臣から「今年の春までには公表したい」との答弁を得ていました。厚生労働省は3月28日に新たに労災認定を受けた2167事業所を公表しましたが、この2日前には救済給付調整金(後述)の申請期限が既に切れていたのです。さらに来年3月には救済法施行前に死亡している場合の救済も打ち切られるのです。「石綿健康被害救済法」はまさに隙間だらけの制度設計でした。これに対し、民主党は参議院に、自民・公明党は衆議院に隙間をなくすべく、修正法案を提出し、できるだけ早く法案を成立させるよう与野党間協議の場を設けました。与野党間協議は最終的に自民党佐田衆議院議員、公明党江田衆議院議員、民主党は田島一成衆議院議員と私の4名で行われました。その結果、以下のような合意に至り、隙間を埋めることができたと思っています。特に、与党案では今後新たに生じるであろう隙間に対して、これを未然に防ぐことができた点(4(2))、生存中に医療費を受け取らず、死亡後に特別遺族弔慰金を受け取ることを選ぶかもしれない『モラルハザード』を防止できたこと(1)、そして行政による調査の徹底や情報の公開の推進が図れたこと(5)が大きいと思います。

1 医療費・療養手当の支給対象期間の拡大
療養開始日から医療費・療養手当を支給する(遡及は認定申請から3年前まで)。
医療費等(医療費+療養手当+葬祭料)が特別遺族弔慰金等(特別遺族弔慰金+特別葬祭料。計約300万円)に満たない場合は、差額を救済給付調整金として支給する。

2 制度発足後における未申請死亡者の扱い
支給の請求可能期間を死亡から5年とし、特別遺族弔慰金等(約300万円)を支給する。

3 制度発足前死亡者の特別遺族弔慰金等の請求期限
法施行日から6年間(平成24年3月27日まで)に延長する。

4 労災による指定疾病に対する特別遺族給付金関係
1) 特別遺族給付金の請求期限の延長
  法施行日から6年間(平成24年3月27日まで)に延長する。
2) 特別遺族給付金の支給対象の拡大
法施行日の5年前の日から法施行日の前日までに死亡し、労災保険法上の遺族補償給付を受ける権利が5年間の時効により消滅した遺族に対しても、特別遺族給付金を支給する。

5 事業所の調査等
救済に必要な情報を十分かつ速やかに提供するため、石綿を使用していた事業所の調査、その結果の公表、石綿による健康被害の救済に関する制度の周知及びそれらの実施に当たっての関係行政機関の連携に関する規定を新設する。

以上です。いずれにせよ、これほど迅速に与野党で合意が得られ、改正案が成立する運びとなったことは、ひとえに、一刻も早く制度の隙間を解消して一人でも多くの石綿健康被害者を救済したいという強い思いがその原動力であったことは言うまでもありません。


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