国民民主党大分県参議院選挙区 第1総支部
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国会会議録

平成30年5月15日- - 参議院厚生労働委員会会議録

○足立信也君  民進党の足立信也です。
 今、櫻井さんの質問を聞いていて、ちょっと具体的に私が説明したい部分があったので、それを先にやりますね。
 最初の借金、それから運営費交付金の減額、私学助成金の減額、これ、この構図は、医療崩壊と言われた構図と同じなんですよ。そして、やっぱり弱い立場のところからどんどん辞めざるを得なくなって、業務量は、上といいますか、専門職の方々にどんどんどんどん重なっていくんですよね。で、立ち去り型サボタージュとかそういう形になってきて、医療崩壊の構図と同じ。医療崩壊には、これに加えて訴訟の問題があったわけですよ。ですから、そこの何か原資といいますか、元を断たれていくと、これは、これから先、イノベーションや労働生産性も含めてやっていこうというときに、その原資を断っている方向というのはやっぱり間違いだと思います。
 それから、国立大学の教員の給料の話がありましたけど、私、レジデント六年のうち五年弱が大学でして、その後、ちょっと間隔空けて、講師、助教授で十年弱大学にいましたね。最後のときの給料は、私、配偶者特別控除、該当しましたから、それで大体どんなものか分かると思いますよ。四十五歳ですよ。そんなものですよ、国立大学って。まあ、うちの科は伝統的に平日の関連施設への研修は禁止という科でしたから、そうなんでしょう。実際はそういうところです。
 それから、さっき、文科省はもういらっしゃらないのであれなんですが、以前、私、この委員会で話ししましたが、非正規雇用の大量雇い止め、これ現場の人間はびっくりしているんです。事務方から辞めさせてくれと言ってきているというんですよ。これが実態ですよ。この事務方というのは文科省が直に関連しているわけですからね。この大量雇い止めの件も、大学あるいは医学部に関してはそういうことだったということを最初に伝えておきたいと思います。
 それから、ちょっと法案の質疑に入る前に、大臣の意見というか感想をお聞きしたいんですけど、月曜日の夜九時、統合幕僚監部の三等空佐ですかね、三佐ですね、うちの小西議員に対して、おまえは国民の敵だと、おまえの議員活動は気持ち悪い等々、十五分間にわたってということがありますね。
 これは、統合幕僚というとエリートですよね、陸海空から集まったエリートの方。イラクの日報の問題も、去年報告が幕僚長に上がっていて、一年以上、上に言わなかったわけですよ。これ、情報の問題が今大きくなっていますが、それ以前に、実力組織である自衛隊のしかも幹部が、選挙で選ばれた国民の代表である国会議員に対して、おまえは国民の敵だと言うことは、国民を敵に回しているのと同じですよ。しかも、実力組織の幹部ですよ。これは、シビリアンコントロールの問題というのが本当に大きな問題ですが、私は民主主義の成り立ちそのものを彼らは理解していないんじゃないかと思うんですよ。この問題は極めて大きい。
 あしたから国会は不正常になるかもしれませんけど、これはとんでもない事態ですよ。戦前の話がよく出てきます。あのときの中佐が罵倒をしたというのもありました。黙れということですね、国会議員に対して。
 このこと、民主主義の根幹に関わること。実力組織である統合幕僚部の幹部が、国会議員に対しておまえは国民の敵だと、こう言うことに対して、大臣、どう捉えていますか。民主主義の成り立ちの危機だと思いませんか。

○国務大臣(加藤勝信君)  これは防衛大臣からも発言があったというふうに認識をしておりますけれども、今御指摘のように、実力組織である、そして一定の地位にある方、そうした方がそうした発言をすること、これは全く適切ではないということでありますし、これに対して、今厳正に対応も含めて防衛省内において議論されているというふうに承知をしております。

○足立信也君  これはやっぱり幕僚、責任者、これは責任を取って辞めるしかない話だと思いますよ。それだけで足りるのかという話になってくると私は思います。
 さて、法案についていきますが、やっぱりよく言われている医師の偏在、要するに地域偏在と診療科の偏在、これをどう解消するかということが今回の法律案の趣旨だと、そう捉えていますが、インターネットでこういうアンケートがあるんですよ。
 日本人医師千五百八十二人、アメリカ人医師千百五十人にアンケート。これ、両親又は一方の親に医師はいるかというと、日本は七三%、アメリカは八〇%いないでほぼ変わらない、そういうアンケートなんですが、自分の子や友人に医師という職業を勧めるかというアンケートなんです。日本人は勧めるが四二%、アメリカは五七%、物すごい差があるんです。実際に医師として働いている人は自分の子供や友人に勧めない。その理由は、もうお分かりだと思いますが、勤務時間が長くて、責任が重くて、ストレスが多くて、自分の命を削っていると。これが日本とアメリカの違いなんですね。
 そこで、じゃ、これを解決する最も重要なものは何かという質問については、厚労省でも検討されているタスクシフティングなんですよ。医師以外ができることを医師以外の業種の方々がやることが重要なんだと、これがアンケートなんですが、ところが、厚労省のあの十万人アンケート、勤務実態調査。実際、回答者は一万五千人ちょっとでしょうか。これ、でも大掛かりな調査ですね。これでは、他職種との分担可能な業務として、患者さんへの説明や合意形成、これに一日八十二分使っている。分担できると答えた人は八%しかいないんですよ。もう一つ、医療記録の作成、これ一日九十三分、一時間半使っている、毎日毎日。これは、分担できると答えた人は一四%しかいないんですよ。
 さっきのアンケート、タスクシフティングが一番重要だと。でも、厚労省の調査では僅かそれぐらいしかできると思っていないんですよ。これをどう捉えますか。これから緊急に講じる事態ということで、医師の労働時間に関する検討会で出ていますね。この中の一つの項目ですよ。それぐらい、一〇%前後しかできると思っていない。これを厚労省はどう捉えて、どう対処しますか。

○政府参考人(武田俊彦君)  まず私の方から答弁をさせていただきます。
 医師に関しましては、長時間労働の実態がある一方で、応招義務など特殊性を踏まえた対応が必要であるということから、昨年三月に取りまとめられた働き方改革実行計画において、二年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得るというふうにされているところでございます。
 これを受けて、現在、医師の働き方改革に関する検討会を立ち上げまして、時間外労働規制の在り方や具体的な勤務環境改善策の検討を行っておりまして、本年二月には中間的な論点整理、医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組、今御指摘ありました、こういったことを取りまとめたところでございます。
 御指摘があった患者への説明、合意形成、それから医療記録につきましては、確かに御指摘があったようなパーセンテージが他の職種に分担可能ということでございますけれども、医師でなければできない部分がある一方で、他の職種に分担可能なものに関しましてはでき得る限りタスクシフトを進めるべきであるということを考えてございます。
 先ほど触れさせていただいた緊急的な取組におきましても、例えば検査手順の説明や入院の説明、診断書の代行入力などについて、原則医師以外の職種により分担して実施することで医師の負担を軽減することとしておりますけれども、これらに加えてどのような業務がタスクシフトできるか更に検討を行ってまいりたいと考えております。
 したがいまして、今御指摘のあったところに限らず、可能な限り、医師について他職種でできるものについて検討を行ってまいりたいという趣旨でございます。また、今般の診療報酬改定におきましても、こういった観点から様々な改定が行われたというふうに承知をしております。

○足立信也君  いや、タスクシフティングが重要だといって検討会の方でも緊急に講ずるべきだといって、でも、厚労省のアンケートですよ、一〇%前後しかそれはできないと。これに対してどういう対応を取りますかということなんですよ、質問はね。大臣の方で追加があれば。

○国務大臣(加藤勝信君)  まず、先ほどの委員からの日米のアンケート調査ですか、アメリカでもタスクシフティングということに重点、重点というか、やるべき課題に挙がっているということを聞いて、あっ、そうなのかなと改めて思ったところをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、今の数字はあくまでも医師の方にお聞きをして、医師が判断してどうですかという数字なんですね。ですから、その範囲ではまずやる、まずやってくださいと。しかし、加えて、じゃ、それだけなのかという部分については、今厚労省においてタイムスタディー調査を行い、医師の詳細な勤務実態について把握して分析する作業を進めておりますから、そういうのも見ながら、それをベースとしていろんな専門家から聞いて、さらにどういうものができるかできないか、こういった議論をしっかり進めていきたいと、こういうふうに思います。

○足立信也君  ところが、全国自治体病院協議会のアンケートというのもありまして、これによると、さっき六項目挙げましたね、緊急に取り組むべきこと。この中で実施できないという割合があるんですが、タスクシフティングは一三%しか実施できないがなくて、これはできる。だから、厚労省のアンケートと自治体病院協議会と大分違うんですね。これは私は、結構人が多いんではなかろうかと、自治体病院は、思っています。
 それは置いておいて、実施できない割合が高いのが労働時間管理の適正化に向けた取組、つまり労働時間を把握すること、七二%ができないと。それから、医療機関の状況に応じた労働時間短縮に向けた取組、できないと、四八%。この二つが極めて高いんですね。
 この労働時間管理の適正化、つまり労働時間の把握ができないということなんです。これはどういう対応を考えられますか。

○政府参考人(武田俊彦君)  ただいま委員御指摘のありましたこの全国自治体病院協議会のアンケート調査でございますけれども、例えば今御指摘のありました医師の労働時間管理の適正化に関しては、できないという理由の中で、ICカードなどによって出退時間を把握しても、勤務時間と自己研さんの区別を客観的に把握することが難しいとか、日々チェックし判断することは困難であることなどの理由が挙げられているようでございます。また、労働時間短縮に向けた取組につきましても、実施できないという病院では、医師不足により宿直明けの勤務負担の緩和が難しいとか、応招義務、勤務時間内での病状説明など、患者を始めとする社会全体の理解が不可欠であることなどが挙げられているところでございまして、これらの論点につきましては、医師の働き方改革の検討会でも議論がされているところでございます。
 私ども、この間、中間論点をまとめさせていただきましたが、それぞれの論点につきまして、やはり、関係団体と国と協力をしてどのようなことができるか、総合的に検討していく必要があると考えております。

○足立信也君  ちょっと飛んで、その具体論に行きます。
 なぜ労働時間が適正に把握できないのか、ここで条件をやっぱり決める必要があると思いますが、先ほどの全国自治体病院協議会のアンケートでは、なぜできないか、病院にいても労働時間かそうじゃないか、よく言われる自己研さん、これが区別できないからできないんだという理由がやっぱり大きいわけですよ。先ほどの厚労省の調査の中には、病院にいて実際に診療に携わっている時間も、それから自己研さんのための時間も両方入っていますね。
 そこで、診療のために当然我々は、一生勉強しろって僕は医学部入ったとき言われましたけれども、診療のために勉強しなきゃいけない、また、その結果について多くの人に知ってもらうためにそれをまとめなきゃいけないというのは当然あるわけです。この時間というのは、今の厚生労働省の考え方としては、それは労働時間に入る、そういう前提でいいんでしょうか、六番に行きました。

○政府参考人(山越敬一君)  厚生労働省におきましては、労働時間の正確な把握のためのガイドラインを策定しております。このガイドラインにおきましては、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいうものとされておりまして、使用者の明示又は黙示の指示により働く方が業務に従事する時間は労働時間に当たるということを示しているところでございます。
 御指摘をいただきました医師の方が診療のために勉強する時間あるいは症例を取りまとめる時間につきましても、こうしたことに照らしまして個別具体的に判断をする必要があると思いますけれども、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれている場合は労働時間に該当するということと考えております。

○足立信也君  そんなことを言うと、使用者が命令したかどうか全部調べなきゃいけなくなるじゃないですか。当たり前にこれが診療のために必要なことだと、そういう前提に立っていると思いますよ。
 先ほどの厚労省の勤務実態調査は、これ、オンコール、まあ待機ですよね、オンコールの時間は、これは労働時間と別になっているんですよ。先ほどの調査は、具体的に言いますと週六十時間以上、つまり月に換算すると八十時間の時間外ということになるわけですが、これは男性の二八%、女性は一七%です。それに加え、二十代の医師のオンコール、待機時間は男が十六時間、女性は十二時間となっているわけです。
 このオンコール、呼ばれて診療に携わったら当然労働時間になると思いますが、この束縛されている時間、待機の時間、これは労働時間に含めると考えているんですか。これは命令ですよ、オンコールは。

○政府参考人(山越敬一君)  この労働時間は、いわゆる手待ち時間、指示があったときはその仕事に即応するということで待機している時間、こういったものも労働時間に含めるというのが労働基準法上の考え方でございます。

○足立信也君  含めるということをはっきりおっしゃられたので、となると、先ほどの厚労省のアンケート、分けて質問されていますが、セットで合計時間を換算するとかなり長いですね。これは言っておきたいと思います。
 ところで、これは共同通信だったですかね、特定機能病院に労働基準監督署が指導に入ったり、勧告したり。これは記事で、実際は持っていないかもしれませんが、八十五の特定機能病院のうち六十四の病院で労働基準法違反という報道があります。これは以前から議論ここでされているんですが、パンドラの箱を開けたということになっていて、労働時間をきっちり議論し始めると大変なことになってくる。
 この前、いらっしゃいませんけど、木村さんが質問されていましたが、現行の労働時間法制下で、特定機能病院や、あるいは医師や医療従事者、基準法の労働時間、三六協定の限度基準あるいは特別条項、これはほかの職業の方と同様に掛かっていますよね、その確認です。

○政府参考人(山越敬一君)  お答え申し上げます。
 医師でありますことや特定機能病院であることを理由に労働基準法第三十六条を含みます労働時間に関する規定でございますとか限度基準告示あるいは特別条項が適用除外となっているということではございません。

○足立信也君  全部適用なので、基準監督署が入るということは当然といえば当然。
 それでは、応招義務を、先ほど答弁ありましたけど、始めとして、医師というのは違うだろうと、それだけでは縛れないだろうということで、働き方改革の検討会、医師の部門ですね、これ、やられていると思うんですが、この今の報道にあった中で、例えば、今具体的に山越さんおっしゃいましたが、三六協定の未締結とか労働基準監督署への未届けとか、あるいは三六協定で百時間を超えるような協定数というものは特定機能病院の中で把握は数はできていませんよね。できていないですよね。

○政府参考人(山越敬一君)  お答え申し上げます。
 特定機能病院のその三六協定につきまして、例えば、届けられていないものの件数でございますとか、その時間というものについての数というものについては把握できておりません。
 これは、三六協定がその企業によって有効期間がそれぞれ違うものでございますので、なかなかそういったことが難しい側面があるので数としては把握できておりませんけれども、いずれにいたしましても、過去において、御指摘のあった労働基準監督署に三六協定が届けられていないとか、百時間を超えるような延長時間が定められている協定があったと、そういう事例があるということは承知をしております。

○足立信也君  これは実態はもちろん把握してほしいんだけれども、現状はできていない。
 そんな中で、これ、高プロのことをちょっと。この原型ができた、出たというのは二〇一四年の四月二十二日、経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議、ここで個人と企業の成長のための新たな働き方としてこの原型が提案されたと思います。そのときに、当時の田村厚生労働大臣は、医師は、年収一千万円以上もらっているが、時給換算では最低賃金に近い人もいる、医師のような、このような働き方を助長するのではないかという懸念をその会議で表明している。
 そこで、さっき私、年収の話を冒頭しましたが、年収の把握はできているんですよね、厚生労働省として。でも、問題の、今時間給ですよ、時間給、最低の時間給で働いているんだと。時間給の把握はできていますか。

○政府参考人(武田俊彦君)  勤務医の時間給の御質問がございました。
 勤務医の時間給につきましては、平成二十九年賃金構造基本統計調査における平成二十九年六月分の所定内給与額及び所定内実労働時間数から所定内の時間給を推計いたしますと、約五千二百円という数字で把握しております。

○足立信也君  これは、年代あるいは男女の性別、あるいは役職、すごく差がありますので、その資料は後でまたいただきたいと思います。
 ここで、先ほどパンドラの箱を開けたと言いましたが、この基準監督署が指導あるいは勧告、入ってくるというのは、私は、奈良県立病院の最高裁の判例があって、当直とか日直は実際には労働時間だと、労働していると、これは割増し賃金を払わなきゃいけないと、こういうことが起きて、これ全国に、当然皆さんがそれに反応する、あるいは訴訟がどんどん起きてくるかもしれない、実態はそうです、先ほど櫻井さんの質問の中でもありましたように。ここで監督署がどんどん入っていくということは、まず働かせ過ぎ、あるいは時間を、これ以上は働いては駄目ですよということを今言わないと、これが割増し賃金を払わなきゃいけないんだとなってきたら大変なことになる。
 これ、以前私指摘しましたけど、じゃ、多分答えるのは難しいと思いますが、今、日直や当直と言われているけれども、これが時間外労働なんだと、そうなった場合に割増し賃金等はどれぐらい払う必要性が生じてくると思いますか。

○政府参考人(山越敬一君)  お答え申し上げます。
 個々の事例については、いろいろ様々な例があると思いますので一概に申し上げることは難しいと思います。
 その当直の場合の時間外労働時間数とか賃金の状況、そういった考慮要素がありますので一概に申し上げることは難しいと思っておりますけれども、今御指摘をいただきました奈良県立病院の裁判例でございますと、宿直の時間外労働、認定されている金額としては、一人の方については九百八十二万円余りとなっているところでございます。この額が宿直を時間外労働として割増し賃金を計算した金額としてこの裁判例の中では認定をされているところでございます。

○足立信也君  あのね、これ民間のシンクタンクが試算したんですけど、去年の臨床外科学会で、これシンポジウムで公にされたんですが、時間外労働分の賃金、年間で約一兆円。今、一人当たり九百八十二万と言いました。医学部、歯学部が一兆円の借金からスタートして、時間外の割増し賃金が一兆円だということですよ。まあ奇妙な符合ですけどね。これをどうやって賄うかということが大変な問題なんだろうと私は思いますよ。これ、民間のシンクタンクの試算ですからね、そのままうのみというわけにはいきませんけれども、それだけの実は隠れたこれからの負債というのが待っているということです。
 そこで、これが実態なので、ここまで実態の説明に費やさせていただきました。この法律案の審議はかなり時間が必要だと私思っていますし、次がいつになるか分からないということもありますので、まずは実態からスタートしました。
 そこで、地域間格差と診療科間格差、これを解消するためにというのが趣旨だと思いますが、やっぱり分析があって、その解釈がないと対策は取れない、まあ当たり前のことだと思いますが、では、勤務医の地域偏在、地域間格差といいますか、これ、なぜ起きたというふうに捉えているんでしょうか。原因ですね。どうでしょう。

○政府参考人(武田俊彦君)  お答えいたします。
 医師偏在の要因につきましては、これまでの経過の中で様々な要因が合わさって現状に至っていると考えられますけれども、地域偏在に関しましては、例えば、本人や家族の志向や子供の教育などの生活環境の問題により本人が地方に赴任したがらない、又は、勤務地により経験できる症例数や手術の経験などが異なり、キャリアアップや専門医の維持を考慮して地方などを避ける、こういったものが、例えばということでありますけれども、要因としてあると考えているところでございます。
 医師の地域偏在の現状につきましては、併せてちょっと御説明をさせていただきますと、平成二十八年の医師・歯科医師・薬剤師調査によって数字を見ますと、都道府県ごとの人口十万対医師数については、最大の徳島県三百十五・九人と最小の埼玉県百六十・一人では二倍程度の開きがございますし、二次医療圏ごとに人口十万対医師数を見た場合には、三十四の都道府県において最大と最小の医師数が二倍以上に開いている現状にある、こういったことでございまして、こういった様々な要因、様々な実態を踏まえて、今回の法案を提出させていただいたところでございます。

○足立信也君  様々な実態ということですけれども、ここで偏在を解消だけをやろうやろうとすると、それは強制になってしまうということを懸念する人がかなりいます。
 先ほどの厚生労働省の勤務実態調査で、医師の四四%ですか、地方で勤務する意思がある、四四%ある。でも、なぜそうできないか、というか意思がないという理由は、もう皆さん想像付くと思いますが、二十代では労働環境です。一人でやらされたらたまらないということですね。三十代、四十代では子供の教育環境ですよ。これを無視して、偏在解消という形だけで半ば強制的に行かせるということは、社会全体が今中央と地方の関係も含めてそう動いているときに、これは物すごく、何というか、小さな範囲の、小さなコップの中での議論ではないわけですね。そういうことも考えると、今、行きたい意思はあるのに行けない理由は労働環境と子供の教育環境だと、これが地域偏在を生んだ私は大きな理由じゃないかと思うんですが、その点についてはどうでしょう。

○政府参考人(武田俊彦君)  ただいま委員からも御指摘がございました、私どもの医師に関する大規模な調査で挙げられている主な障壁といたしましては、御指摘のとおり、労働環境に不安がある、子供の教育環境が整っていない、三割近い医師からこういう回答ございましたし、家族の理解が得られない、専門医等の資格の取得が困難である、希望する内容の仕事ができない、こういう御意見が出されております。
 私ども、何よりこういった方々が医師の少ない地域で勤務できるような環境整備を進めるということは非常に大事だというふうに思っておりまして、今回の法案に併せまして、様々な予算措置におきましてもこの環境整備を図ることとしているところでございます。
 例えば、労働環境に不安があるということでは、定期的に休暇取得や中核病院での研さんが行えるような、交代で勤務する医師の派遣に対する支援、これ三十年度予算で計上しておりますし、ある程度その医師が家族とともに都市部に住みながら、グループ診療などを通じて、医師の少ない地域に週に数回診療行ったりできるような体制の確保、こういった点についても予算措置を講じるところでございまして、あくまで、やはりこういう環境整備を通じて、医師の方々、希望される医師が少なくともこの障壁を感じないで地方勤務ができるような環境整備を行いつつ、併せてインセンティブについても重視をしていきたいと、こういうことで取り組んでいきたいと思っております。

○足立信也君  今の武田さんの答弁になると、結局、先ほど櫻井さんからあったように、非常勤の医師で何とかするという話ですよ、結局はね。労働環境やあるいは子供の教育環境ということを重視すると、都市部に皆さん住んで、でも、派遣の機能と、週に何回かと、結局そういうびほう策といいますかね、それに偏っていっているんですよ。
 だから、この問題の全体に通底することは、やっぱりこの国の将来の人口分布であり、ここから医療機関へのアクセスがどうなるかという問題であり、そこのシミュレーションがきちっとできていないと、多分心だけの問題では解決しない、そこだけで解決しようとするとまた新たなひずみを生んでしまう、私はそう思います。ただ、勤務実態調査で分析されて、解釈もできているわけですから、ここは、もうさっきの話と通ずることですが、厚労省の内部だけの話ではないということが極めて大事です。
 そこで、法案にも書かれておりますが、地域医療支援センター、これ二〇一一年度予算から入って、当初十五か所だったかと思うんですが、一〇年のときに、概算要求の段階で私はこれをやるべきだということで、当時政務官でこれを導入しました。行政と大学と医療界、これが同じテーブルに着いて、何科の医師がどの程度どの地域に足りないのかというようなことを共有すべきであると、まあそうなんですが、この地域医療支援センターの評価が結構分かれていると思うんです。櫻井さんの資料の一番後ろにありましたけれども、評価が分かれているということは、うまくいっているところとうまくいっていないところがあるんですね。で、うまくいっているところのノウハウをやっぱり広げるというのが政策をうまく成功させるための手段ですね。
 これ、うまくいっているところは何がうまくいっているからセンター機能が果たせているんでしょうか。

○政府参考人(武田俊彦君)  お答えいたします。
 各都道府県におきまして、この地域医療支援センターの運営でございますけれども、それぞれ地域の特性を踏まえて、独自に工夫しながら運営を行っていると承知をしておりますが、非常に私どもから見ても効果を上げているところも確かにございます。こういったところを横展開をしていくということは是非考えてまいりたいというふうに思います。
 例えば、秋田県の例でございますけれども、ここでは、地域医療支援センターが秋田大学の医学部に委託をされておりますけれども、必ず毎週一回は県職員がこの委託先の秋田大学の医学部に行きまして、ミーティングを行い、修学資金を貸与した医師がキャリアや勤務先での問題を抱えていないかなどの情報共有をし、何らかの課題があった場合には、すぐにその課題を抱える医師やその指導医等に相談する体制を整え、こういったことで医学部卒業後の県内定着率を高めているということと聞いております。秋田県におきましては、ちなみに、平成二十五年以降卒業した医師は、二十九年時点では六十二人全員が県内に定着をしているという効果を上げているということだと承知をしております。
 また、新潟県におきましても、県が修学資金を貸与した医師だけではなくて、自治医大の卒業医師の方々全員がこのキャリア形成プログラムに参加する形で運用されておりまして、プログラムの内容につきましても、自治医科大学卒業生にも相談して策定することで、修学資金を貸与した医師だけでなく、自治医科大学卒業生も含めて定着率の向上を図っているというふうに承知をしております。
 さらに、都道府県が当該都道府県内で勤務を希望する医師と医療機関とを調整して勤務先をあっせんするドクターバンク事業につきましては、長野県では、事業への登録の希望が確認できた医師には欠かさず登録を促すメールを送信し、少しでも反応があれば派遣先医療機関の派遣調整を行うコーディネーターが直接、医師の下に出向いて登録を促すことや、県外の信州大学卒業生に対し登録を促す手紙を送付するといった取組も行われております。
 また、ちょっと長くなって恐縮ですが、宮城県では、二年間県の職員として勤務した場合には一年間有給で研修期間を与える取組などを行っているところでございまして、非常にそういう意味では各地域の特性を踏まえたいい事例が出てきておりますので、是非これをほかの都道府県にも広げていきたいと考えております。

○足立信也君  私が聞いたのは、事例ではなくて、どういうこと、どういう取組があればうまくいっているのかというまとめ、その分析、それが大事ですねということを言っているんです。
 今の話を聞いていて、やっぱり大事なことは大学の関与ですね、大学の関与がしっかりあるところ。それからもう一つ、私が感じているのは、いろいろ見て、事務局をどこがやっているかという関与がまた大きいと思います。これは、やっぱり行政と医師会を始めとする医療界と大学ですから、その大学の関与の度合い、それから事務局はどこがやっているかと、ちょっと分析していただいて、このやり方を横に広げると。是非やってもらいたいと思います。
 法案に関連して、先ほど医療構想の調整会議のことありましたけど、この地域医療対策協議会という、今回それがほぼそのままやってもいいということになりましたが、この会とこのセンターの役割の違いは何なんですか。

○政府参考人(武田俊彦君)  お答えいたします。
 これまで、この地域医療対策協議会は、各都道府県において医療計画に定める五事業に係る医療従事者の確保などの協議を行う場として設置をされておりますけれども、都道府県によっては過去五年間開催実績がないなど、その実効性が不十分でございました。
 一方、地域医療支援センターは、今るるお話出ておりますように、地域枠医師の派遣調整などを都道府県の事務として行っておりますけれども、地域医療対策協議会との業務内容との関係は明確ではないという問題がございました。
 このため、今回の法案におきましては、この地域医療対策協議会は、都道府県、大学、医師会、医療機関などを構成員として、医師確保計画に定められる医師確保対策の具体的な実施やその役割分担に関する関係者間の調整を一元的に行う場として位置付け、その役割や機能を明確化したものでございます。
 一方、地域医療支援センターにつきましては、地域医療対策協議会において協議が調った事項に基づき、医師派遣事務、キャリア形成プログラムの策定など、医師確保対策に関する言わば事務の実施拠点として改めて整理をしたものでございます。
 これによりまして、先ほど委員御指摘ありましたように、大学に委託するケースで非常にうまくいっているケースが多いというのは事実でございますけれども、必ずしもその大学に委託しなくても、こういう形で関係及び役割、機能を明確化することで、大学を含めた関係者と合意を調え、それに伴って実施拠点が動くと、こういうことで実効性が高まるのではないかと考えているところでございます。

○足立信也君  役割の違いは理解しました。今実際動いているものをより有効に使うという姿勢で臨んでいただきたいと、そのように思います。
 ちょっと飛ばして、私、気になっていることをちょっと申し上げます。これ地域枠です。定員を増やして今九千四百二十人ですか、地域枠の人がもう一八%、千六百七十四人。これ、ちょっとまとめて答えてほしいのは、奨学金の額がおよそどれぐらいで、そして卒業後はどういう義務を負って、これ、返済ができない、延滞した場合の利息等はどうなるんでしょうか。

○政府参考人(武田俊彦君)  御指摘の地域枠の学生に対する奨学金でございますけれども、これ、現実には各地域、各都道府県で違いがございますけれども、一般的に申し上げれば、奨学金につきましては、医学部六年間、総額でおおむね約一千二百万前後の金額であるというふうに承知をしております。
 また、その後、卒業後に課される義務年限につきましては、奨学資金の貸与期間の一・五倍の九年間ということが、地域によって差はございますけれども、一般的にはこの一・五倍の九年間ということが定められていることが多いというふうに認識をしております。
 一方、この義務年限の地方勤務九年間、地域の勤務の五年間を免除される、その奨学金を返済した場合につきましては、各都道府県につきましては貸付金利を設定をしておりまして、おおむね多くの都道府県におきまして年一〇%前後の貸付金利を設定しているものというふうに私どもとしては認識をしております。

○足立信也君  これ、奨学金には先ほど出ました医療介護確保基金も使われていますけれども、この延滞利息が一〇%と、これはやっぱりすごい率だなと思います。
 九年間県内の医療機関に義務といいますか、ありますね。これ、私気になるのは、じゃ、臨床研修制度、臨床研修病院の選択にこれ相当な制限が掛かっているということなんでしょうか。
 加えて、これも私気になっているのは新専門医制度です。これ、研修の病院決めますね。九年間というのは、二十五、六で卒業した場合に極めて重要な九年間。自分の意思で選べないんでしょうか。あるいは、制限が掛かって、研修先でも、それから専門医になるための病院の選択も彼らは制限が掛かっているんでしょうか。

○政府参考人(武田俊彦君)  この地域枠の医師の義務年限の扱いでございますけれども、各都道府県が、就業義務年限のうち、どの地域や診療科で何年間勤務するか、こういった医師のローテーションについての方針を定めた上で策定するキャリア形成プログラムにこの地域枠の医師は参加することとされているところでございます。
 大学所在地都道府県における臨床研修修了者は、臨床研修修了後、大学所在都道府県に定着する割合が高いことから、地域枠医師については原則として大学所在都道府県において臨床研修を受けることとするようキャリア形成プログラムに位置付けることとしておりますけれども、それぞれの地域で若手医師の養成、具体的には国内外の留学ということも希望としてあった場合にそれをかなえるかどうか、これはまた都道府県でそれぞれ判断をされてキャリア形成プログラムが定められている現状にあるのではないかと思いますし、今後、各都道府県で若手医師の専門医取得などのキャリアアップを十分考慮したキャリア形成プログラムになるよう、私どもとしても促してまいりたいというふうには考えております。

○足立信也君  今おっしゃいましたけど、実は去年の七月三十日に通知を出されていますね。これは、事実上同じ大学所在地の都道府県に囲い込みですよ。これが若い年代の医師に本当にいいことなのか。
 もう一つ言いますと、これは次回の質問になりますけれども、今大学医学部って入試が難しいじゃないですか、偏差値高いじゃないですか。有名高校やあるいは大手の予備校は海外進学コースがどんどん増えていますよ。こんな強制があるとか義務を負わされるとか、それよりも海外の進学コースを選ぶ人が増えてきていますよ。これ、日本だけの問題じゃないんですよ。若くて、もちろん学問に対する意欲があり、あるいは臨床経験も積みたいと思った人は海外に出ていってしまいますよ。そこも考えながら対処していかなきゃいけないということを指摘して、今日の質問は終わりたいと思います。

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